東筑波ユートピアの「イノシシ牧場」は、東筑波の豊かな自然と広大な土地を存分に活かし、数十匹にも及ぶイノシシが自由に走り回れる牧場です。
イノシシの愛らしさから攻撃的な一面まで、本来の生態を間近で観察することができます。また、赤ちゃんゾーン、住処ゾーン、資料館ゾーンなど、幾つかのゾーンも設置される予定です。
過去にはライオンがいたこともあるらしいですが、現在はお猿のショーが一日3回行われるほかは、スター動物がいるという感じではありません。
ただ、動物の柵に書いてある名前もすべて飼育員たちの手書きの文字で、木々の温もりと手作り感のあたたかさを感じられるアットホームな動物園です。
猿や犬、猫などは放し飼いされているものも多く、不意な所から出てきてビックリするのも楽しいですし、保護猫たちの猫カフェ「キャットピア」や「うりぼう広場」、ウサギたちのお家「ウサギカフェ」などでは、動物に自由に触れたり、エサをあげたりできます。
エサは入園口の売店で100円で売っています。無料で犬やウリ坊の散歩も出来ます。
またこの動物園では動物たちのバックヤードがなく、寒い時期には枯葉を敷いて作った寝床でツキノワグマが寝転がる様子なども観察できます。
東筑波ユートピアの入園料
大人(中学生以上) | 1,200円 |
---|---|
子ども(3才以上) | 720円 |
前売り券購入はこちらから
https://www.asoview.com/channel/tickets/nlF05oMhbC/
ホームページ限定入園割引券(ページを印刷して持参してください)
http://h-yuutopia.com/waribikiken/waribikiken.html
自然動物公園 東筑波ユートピアの公式サイトはこちら
http://h-yuutopia.com/
住所 〒315-0156 茨城県石岡市吉生2730-3
TEL 0299-43-6656
FAX 0299-43-6956
アクセス
東筑波ユートピアまでのアクセスは車での移動が便利です。常磐自動車道「土浦北IC」筑波出口より『朝日トンネル』通過で25分、または千代田石岡ICより35分です。駐車場はありますが、舗装はされていないため、雨天の際はぬかるんでタイヤがはまってしまうこともあるので注意が必要です。JR常磐線「石岡」駅からは、バスで柿岡車庫バス停(所要時間約30分)下車後、ハイキングコースを徒歩50分です。
駐車場 120台
近隣からのルートはこちら
http://h-yuutopia.com/top/img/access/map-l.jpg東筑波ユートピアってどんなところ
東筑波ユートピアは少人数で運営しているため、レストランなど飲食スペースの営業はありません。猫カフェやウサギカフェというエリアがあるので、誤解してしまいがちですが、カフェと言っても飲み物があったりするわけではないんですね。自動販売機も入口付近にあるだけなので、お弁当や飲み物は持参した方が無難です。園内の各所に、ベンチ付きの休憩スペースがありますので、ここで持参したお弁当を食べることができます。
東筑波ユートピア園内map
http://h-yuutopia.com/top/img/map/map-l.jpg
お猿のショータイム(金曜日は休演)
平日 11:00~/13:00~/15:00~
土日祝 11:00~/12:30~/14:00~/15:30~
※ショータイムは予告なく休演、時間変更することがあるため、時間に余裕を持っていくか、事前に電話で確認されると良いです。
今後の東筑波ユートピア
テレビ出演で一気に知名度が増した東筑波ユートピア。今回のクラウドファンディングで多くの支援者や来園者を集められた反面、動物の殺処分を盾に改装費をつのる方針に反する意見や、テレビで知って実際に行ってみたら、看板にウサギランドと書いてあるのに中にいたのは秋田犬だった、動物たちの劣悪な住環境にショックを受けた、とにかく汚い、閉園した方が動物たちにとってまだマシ、というような厳しい意見もあります。
今回のクラウドファンディング活動中、Makuakeのサイトで、”イノシシ牧場のほかにも、沢山直したいところやきれいにしたいところがありますので精一杯私たちも頑張ります。” と飼育員がレポートしている通り、まだまだ改善する余地が多く残る動物園です。
4月からは臨時アルバイトだった井手くんも住み込み社員として入社し、更に正社員の富田さんも入社しました。飼育員も増え、今後集めた資金を有効にいかして、良い動物園に生まれ変わっていく取りくみに期待です。
開園時間と入園料
動物園入口のチケット売り場までは、石段を上がっていきます。チケットは自動販売機で購入します。ネットで前売り券を買うこともでき、前売り券だと大人では200円お得になります。また、ホームページ限定の入園割引券や、20名以上の場合、団体割引もあります。
開園時間
夏期
月〜金9:00~17:00 (入園受付16:30)
土・日・祝
9:00~17:00 (入園受付16:30)
冬期
月〜金9:00~16:30 (入園受付16:00)
土・日・祝
9:00~17:00 (入園受付16:30)
※天候により閉園の場合あり
日本一お客が来ない動物園がクラウドファンディングで目標達成
茨城県石岡市、自然豊かな森の中に、東筑波ユートピアという小さな動物園があります。東筑波ユートピアが出来たのは1975年のことで、その後バブル期の80年代後半から90年代にかけては、1日最高4000人の来園者数を記録するなど、順調な客足がありましたが、バブル崩壊後、徐々に客足は遠のき、来場者がゼロの日も少なくない状況に落ち込んでしまいます(2017年に6日連続来園者数0の日を記録)。
年間500万円の赤字経営が続き、施設もボロボロで、園内のほとんどがセルフサービスという、いつ閉園してもおかしくない経営状態で、いつしか「日本一お客が来ない動物園」と呼ばれるようになってしまっていた東筑波ユートピア。
そんな崖っぷちの経営難の根本的な改善案として、動物園コンサルタントの田井基文さんのアイデアを借り、動物園再生のために企画されたのが、イノシシの生態が観察出来るイノシシ牧場の建設です。
田井基文さんと言えば、ドイツ「ベルリン動物園」のパンダ館プロデュース、イタリア最古の水族館である「ナポリ水族館」のリニューアルなど、世界中の動物園や水族館の、広告やグッズのデザイン制作をし、動物園・水族館にこれまでにない新しい価値を付け加えてきた、今大活躍の動物園コンサルタントです。
幅広い経験と知識を活かして、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」という情報誌も企画制作、発行をしています。
ベルリン動物園公式サイト
https://www.zoo-berlin.de/de
ナポリ水族館(アントン・ドーン動物学研究所)公式サイト
http://www.szn.it/index.php/it/
「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト
http://www.doubutsu-no-kuni.net/
年間200箇所以上の水族館や動物園を見てきたという田井さんのアイディアを受け、企画されたイノシシ牧場の改装費用はなんと2000万円。当然借金だらけの東筑波ユートピアが捻出できる額ではなく、資金調達として模索した方法の第一が銀行の融資でした。
しかし、銀行が赤字経営の会社に返す当てのないお金を貸してくれるはずもなく、数日後、小川園長は予算がないとの理由で改装中止を言い出してしまいました。
そこで再度田井さんが園長に提案した資金調達方法がクラウドファンディングです。クラウドファンディングとは、アイデアを持つ起案者がプロジェクトを立ち上げ、ネットサイトを通じて世の中に呼びかけ、プロジェクトに共感した人から広く資金を集める方法です。
小川園長はクラウドファンディングの提案に、はじめはピンと来ていない様子でしたが、田井さんから詳しく説明を受けると、動物園継続の最後の希望をかけ、プロジェクトを行うことを決意します。改めて建設会社が測量した見積もりは3500万円以上と、当初の予算の2倍近くになりましたが、クラウドファンディングサイトへの手数料も含め、目標金額は4000万円に設定することになりました。
そして、クラウドファンディングサイトのMakuakeを利用し、園の経営難と、閉園後にやってくる動物たちの殺処分をどうしてもさけたいという気持ち、動物園のウリとなるイノシシ牧場を作って動物たちを幸せにしたいというメッセージを多くの人に呼びかけた結果、見事に目標金額の4000万円を達成したのです。そしてまだまだ、支援者と支援金は集まっています。
実は、小川園長と田井基文さんが東筑波ユートピア再生に乗り出したのは、テレビ番組がきっかけです。東筑波ユートピアは「日本一お客が来ない動物園」として、日本テレビの「志村どうぶつ園」でたびたび紹介されています。「志村どうぶつ園」といえば、毎週視聴率10%を超える全国ネットの人気番組です。
影響力の大きいテレビ番組で多くの人に支援のメッセージを伝えることができたことは、今回のクラウドファンディングの大きな強みとなりました。事実、同テレビで東筑波ユートピアがクラウドファンディングを開始するという放送があった後、約1週間から2週間で3000万円が集まり、その後放送された、あと1000万円で目標達成という放送をうけて、プロジェクト期限に設けられた2ヵ月間のうち、1ヶ月以上の期間を残して、あっという間に4000万円の目標資金が集まりました。
番組内では、この動物園で飼っている動物達は、捨てられたり、様々な事情で行き場のない動物だということや、これらの動物たち17種123匹を入社1年目の女性飼育員、鈴木さん1人で世話している様子にも密着しています。この動物園は2人で運営しており、もうひとりの飼育員は牛久大仏の下で行う出張猿回しの公演で出ずっぱりなので、新人の鈴木さんが1人で世話せざるを得ない状況なのです。
鈴木さんは親の猛烈な反対を押し切り、資料館に住み込みで働いています。毎日夕方になると軽トラに乗って動物たちのエサとなる野菜の切りクズをもらってまわったり、動物の可愛さを知ってもらおうとツイッターに動物の写真をUPしたり、空いた時間は猿回しの練習や、動物の生態を本で勉強したりして、園の動物たちに深い愛情をもって孤軍奮闘する姿は、多くの人の応援を誘いました。
このままでは閉園せざるを得ない園の経営状況や、閉園後、最悪のパターンでは動物たちが殺処分される可能性などを放っておけないという支援者も多かったでしょうが、こうした飼育員の人柄や努力をしっかり映像で見せたことも、多くの支援者が集まった理由のひとつと言えます。
今回のクラウドファンディングで園長の小川高広さんが打ち出した、”東筑波ユートピアにイノシシ牧場を作って動物たちを幸せにしたい!”というメッセージも、あの園長やあの飼育員たちが作る今後の東筑波ユートピアを見てみたいと思えば、支援しやすくなりますよね。現在、支援のコースは1000円から10万円まであり、リターンとして園内でいちばん声が良い飼育員、冨田さんによるビデオメッセージや、動物への命名権、名物園長との記念撮影権、年間パスポートなどが用意されています。